THIS IS US
掲載日:2022.03.01
今日はドラマのご案内です。
【THIS IS US】 これは、アメリカのドラマです。
ご存知の方もいると思いますが、
このドラマの素晴らしさをまだ知らない人が多いと思うので、
今日はお薦めします。
以前、「心が疲れた時には【姉ちゃんの恋人】を観ます」と書いたことがありましたが、
あのドラマの登場人物は基本的に全員「良い人」です。
人の「良い面」が前面に描かれていて、疲れた心にはホッとします。
一方、今回お薦めの【THIS IS US】は、そうはいきません。
人の良い面も悪い面も、しっかりと描いています。
「三つ子として育てられたきょうだいとその両親」の物語をベースに、
彼らと関係する人たちに起こることを描いています。
「家族」の物語がベースですが、
決して「家族って素晴らしい」なんて薄っぺらなテーマではありません。
「家族の中で起きること」や「社会で起きること」を余すことなく描いています。
親子の葛藤・確執、兄弟姉妹間の葛藤、容姿コンプレックス、LGBT、摂食障害、
アルコールや薬物などの依存症、戦争による心の後遺症、大切な人の突然の死、
複雑な劣等意識、ワーカホリック、認知症、虐待、若年妊娠、恋愛、結婚生活、
思い通りにならない子育て、母娘関係、父息子関係、DV、養子として育つこと、里親、
うつ病など精神疾患、子ども時代のトラウマ、経済的問題、人種問題、解雇、転職、
愛情と憎しみ、思いやりとすれ違い、人間の弱さと強さ、賢さ、愚かさ、などなど・・・
登場人物は誰一人完璧な人はいません。
みんなそれぞれが弱さや問題を抱えています。
そして、そこと真摯に向き合う人、目をそらす人・・・。
人生のある時期には逃げ、ある時期には向き合う人・・・。
一筋縄ではいかない、人が抱える心の痛みや葛藤、そして深い闇を描いています。
だからと言って観ていて気持ちが落ちるかというと、そうでもなくて、
どこかで勇気づけられたりする不思議なドラマです。
どんなに頑張っても気持ちが伝わらず空回りしたり、
うまくいくこともいかないこともある現実。
羽生結弦選手ではありませんが、
「報われない努力」も「報われる努力」もどちらも存在する私たちの社会を描いていて、
「そんな時もあるよね」と、時に辛い状況に置かれた自分に共感されるような、
時に「それでも頑張っていこうね」と思わせてくれるような、いろんなシーンがあります。
人種差別問題はアメリカならではのテーマのように見えますが、
日本でも明確には認識できないだけで、
身近に引き付けて感じたり考えたりすることはできると思います。
しかも「人種差別はいけない」なんていう単純な話ではなく、
その背後に流れる複雑な意識も描かれます。
気づきや学びが多いドラマです。
登場人物の考え方や感情に、「これは私だ」と感じることがあります。
そんな、「他人事」にできない「私たちのこと」と感じられる内容だと思います。
まさに【THIS IS US】、「これが私たち」です。
「家族」という大きな柱のテーマのもとに、
ごまかさない姿勢が感じられるドラマです。
いくつかの動画配信サイトで観ることができます。
私はアマゾンプライムで観ています。
この【THIS IS US】は、月額500円払っても観る価値が十分あると思います。
現在、シーズン1からシーズン5まで放映されています。
間違わないようにシーズン1のエピソード1から観てくださいね。
それでなくても、1話の中で過去・現在・未来、と時間軸が移動するので、
時々混乱することがあるかもしれません。
しっかりとついてきてください。(笑)
そして混乱しても大丈夫!
ずっと後の回になって、「あれってそういうことだったのか」と理解する時がきます。
「すぐに白か黒か決着をつけたい」人には、「少し置いておく」練習にもなります。(笑)
そして、同じ状況を後の回で別の視点から描かれることもよくあります。
例えば、感情的に対立した場面で、Aの視点から描かれた時には、
「Bって、なんてひどいんだ!」と感じても、
後の回でBの視点から描かれた時に、
「そういう事情だったのね」とわかることもあります。
知らず知らずのうちに、「別の視点から見る」そんな力も付いていきそうです。
【THIS IS US】
私のイチオシです。
余談ですが、「姉ちゃんの恋人」も、おなじく有村架純ちゃん主演の「前科者」も
アマゾンプライムで観ることができます。
【THIS IS US】を観て、そのハードさにちょっと心が疲れたら、
対極にある「単純・善人」ドラマで休憩するのもありかもです。