生前整理

掲載日:2015.08.01


 昨年あたりから、「自分の命があと2年くらい」と漠然と思うようになっていました。そして今年になって、「来年の4月」が期限のような気がし始めていました。私の命は、来年の誕生日に向けて収束していく・・・。そんな感覚が自分の中では当たり前になっていました。
 最近はやりの『終活』という言葉にも敏感になり、亡くなった後で娘にできるだけ負担をかけないように「今から身の回りの整理をしておこう」なんて殊勝なことを思ったりしていました。『片付けの魔法』のこんまりちゃんが「片付けは祭りです!少しずつじゃなくて一気にやってしまいましょう!」と言っていました。私は若い彼女の片付けの経験と知識・認識に一目置いていますので、従順なワンちゃんのようにシッポを振って「何でもおっしゃるとおりに~!」という感じで実行しようと決意しました。彼女の言う通りにすればこんな私でもちゃんと片づけられて、娘が世界一周から帰って来た時に「お母さん、綺麗に片づけたね」と褒めてもらえるだろう♪と、始める前から気分はルンルンです。
 「まずは家中の服を一か所に集めて」と彼女の本に書いてある通りに行動開始です。浴室横や玄関の収納スペース、2階のタンスやウォーキングクローゼットなど家中の衣類をリビングに集めました。両手に抱えて何度も階段を昇り降りしてリビングに洋服を山積みにしました。
 「さあ、ここからが本番だ!」とばかりに一枚一枚服を手に取って『キュンキュン度』を確認していきます。「今日中に服だけは整理しちゃうぞ!」とばかりに張り切って、“さよならする服”と“残しておく服”を仕訳をしていきました。何度も「腰をかがめ服をたたんで」を繰り返していると、徐々に体に何やらイヤな感覚が・・・。う、重たい。。。 こ、腰が。。。 やばい!これはぎっくり腰の前兆!!! 
 すぐさま床にへばりつき、しばらくの間横たわっていました。 時間はどんどん経って行きます。横たわっているので、それ以上痛みはひどくはなりません。それは助かったのですが、かといって良くもなりません。どうなるんじゃ、私・・・?
 しばらくして起きてみると、ぎっくり腰になることは免れましたがかなり強い腰の痛みがあります。これ以上何かをしようものなら、一気にぎっくり腰へ突入の予感です。私の片づけは、ここでギブアップしました。。。
 あれから1ヶ月が経ち、やっと普通の生活ができるまでに回復してきました。今回の体験で言えることは「こんまりちゃん、あなたの片付けに関しての見解はたぶん99%正しいと思うけど、中高年には片付けの祭りは厳しいかもよ」ということ。普段鍛えている人は別にして、体がナマっている中高年は片づけに限らず急激に何かをしようとすると体が壊れる可能性がありますね。こんまりちゃんの本に但し書きとして書いておいた方がいいんじゃないかな~。
 そんな体験をして安静にしている数日のうちに、気づいたことがありました。私がなぜ『来年の4月の誕生日までの命』と感じているか・・・。もしかするとそれは、父の亡くなった年齢と関係しているのかもしれないと思い当たりました。父は自分の誕生日の1週間前に亡くなりました。来年は父が亡くなったのと同じ年になります。そんなこと全く意識には昇っていませんでしたが、もしかすると無意識に父の亡くなった年齢があったのかもしれません。よく芸能人が若くして亡くなった親の年齢を意識して「その年まで自分は生きられるだろうかと思っていた」というのを聞いたことがありますが、自分にもそのようなことが起きていたのかもしれないと思うと不思議な気持ちになります。
 どちらにせよ、腰がもう少し良くなったら少しずつ片付けを再開して、4月までには一応『生前整理』をしておきたいと思っています。そこまでの命と思って過ごしていると、日々がよりしゃきっとしてきます。そして、その日を越えて生きられたら、きっとその後は長生きするんじゃないかな~。どちらにしても、今私にできることは一日一日を大事に心を込めて生きることです。