父親のこと

掲載日:2024.12.03


仙台に住むMさんは、数か月に一度、
少なくても半年に一度は息子さんの写真を送ってくれます。

セッションを受ける前のMさんは、
母親と同じことをしてしまうことを恐れ、
自分に自信もなく、
子どもを持つことを考えられませんでした。

セッションを受け、母親と適切な境界線を引けるようになり、
自分の気持ちを大事にすることができるようになった時に、
徐々に子どもが欲しいという気持ちになってきました。

そういうプロセスを経て授かった子どもさんの写真を、
生まれた時から随時送ってくれます。

お腹が大きくなったMさんに、
仙台で学会があった時に直接お会いしています。
大きくなったお腹を撫でさせてもらいました。

あの時にお腹にいた子が、
背中にお餅を背負ってのお祝い、
公園デビュー、保育園デビュー、
Mさんの職場見学の時の少し誇らしげな表情など、
赤ちゃんから男の子へと変化をとげています。

その時々の様子を写真で知らせてもらうことは、
私にとって孫の成長を知らせてもらうようで、
毎回嬉しく拝見させていただいています。

この子がまたとっても可愛らしくて、
「宇宙一可愛い❤」と
北海道の「ばあば」としては感じています(笑)。

表情からも、パパとママの深い愛情を注がれて、
心身ともに健やかに成長していることがわかります。

先日は、その子が今年は「七五三」ということで、
羽織はかま姿の凛々しい様子が送られてきて、
「もうそんな年になったのか」と感慨深いものがありました。

そんなMさんは、一旦セッションを終了しましたが、
半年に一度くらいセッションを受けることを続け、
2年ほど前からは数か月(最近はほぼ1か月)に一度
セッションを受けています。

テーマは、孫にとってはとても良いおばあちゃんになった母親へのモヤモヤや
職場の人間関係などでした。

最近では母親への気持ちはある程度割り切れて、
職場の人間関係が頻繁にテーマとなっていました。

聞いていると、人間的にかなり問題がある人が
何故かMさんと同じ部署に配置されることが多いようです。

Mさんが何でも我慢して受け入れてしまうことも、
上司が面倒な人をMさんに押し付けている理由のように私には感じられました。

それらと一つ一つ向き合い、Mさん自身の気持ちを確認し、
どう関わるかを明確にしていきました。

すると、そういう人たちの言動に振り回されなくなり、
以前ほどストレスを感じなくなったようです。

相手は変わらないけれどMさん自身が変わると、
関係性に変化が起きたということです。

まさに「過去と他人は変えられないが、自分と未来は変えられる」ですね。

そのMさんから先日嬉しい報告がありました。
これも以前から時々テーマに上がっていた人間関係についてです。

「職場の飲み会が苦手」「比較的仲が良い人たちとの女子会でも気を使う」
「ママ友との付き合いも苦手」・・・そのような悩みでした。

これは「毒親娘あるある」ですね。
子どもの頃から親の機嫌や意向に注意を向けて生きてきたので、
他人の中にいてもいつも他の人たちに意識が集中してしまい、
自分はリラックスできずにその場にいることになります。

ずっと気を使ってその場にいるので帰ってきてクタクタになるし、
「あの場ではああ言えばよかった」「あんなことを言って気を悪くしたのではないか」
など、後悔ばかりすることになります。

そんなMさんでしたが、先日のセッションで、
「職場の女子会を心から楽しめた」
「ママ友たちと時間を忘れておしゃべりができた」
「何時間もおしゃべりしたのに、全く疲れなかった」と
弾んだ声と表情で報告がありました。

これまでは「自分はどう思われるか」に意識が集中していたので
他人のことが気になっていました。

でも今は「自分軸」がしっかりしてきたので、
どのような場でも「そのままの自分」でリラックスしていられるようになりました。

こうやってどんどん生きやすくなっていく報告を受けることは、
セラピストとしてはとても嬉しいことです。

そんなMさん、「もう問題はないのでは?」と思っていましたが、
最後に出てきたのが「父親」のことでした。

私のクライアントさんたちは、1人を除いて「母親」が大変な人たちです。
「母親」のパワーに比べて「父親」は影が薄いようです。

そんな「父親」への自分の気持ちと向き合ってみたいと言います。

これって、最近のクライアントさんたちによく起きていることです。

母親の問題がある程度落ち着いた人、
あるいは「母親」はモンスター過ぎてすぐには手を付けられないので
まず小さめ(?)な「父親」から、という人など、
「父親」をテーマに持ってくる事情はそれぞれ異なりますが、
最近は「父親」がテーマになることが多いと感じています。

「自分の気持ちを確認するなんて一人でできるでしょ!」
と思う人もいるかもしれませんが、
「本当の気持ちを確認する」ことは、一人ではなかなか難しいのです。

「母親」のインパクトはストレートで強烈ですが、
「父親」に関してはけっこう複雑なものがあることを
一人一人のセッションをしていて感じます。

Mさんも丁寧に自分の気持ちと向き合っていくと
自分では認めようとしなかった気持ちがあることに気づいていきました。

Mさんに限らず、「父親」への気持ちには
自分でも気づかなかった複雑なものを抱えていることが多いです。

でもこうやって「本当の自分の気持ち」を確認していく中で、
「手放していくこと」や「大切にしていくこと」に気づいていきます。

Mさんの「父親」に関するセッションは一度では終わりませんでした。

「母親」はパワフルさゆえに、
「父親」は複雑さゆえに、
一度のセッションで終わることはありません。

でも向き合う価値は大きいと感じています。

Mさんは、「父親」がテーマのセッションの先に
どのようなものを手にするのでしょうね。

もちろんそれは私にもわかりません。
私ができることは、「自分の本当の気持ち」に気づくお手伝いだけです。
丁寧に「お手伝い」をしていきたいと思います。