人の心は、複雑でナイーブで、そして単純で

掲載日:2019.03.19


スキルアップのために、毎月東京へ通っています。
学ぶほどに、人の心の深さと複雑さとに感銘を受けます。

守秘義務があるので、問題のない範囲で、
今回体験したことをお伝えしようと思います。

今回の1日目は、トレーニングを受けるメンバーが見ている中で、
自分の課題と向き合いたい人がトレーナーの個人セッションを受けました。

50代の女性がテーマにしたのは、「タバコをやめたい」でした。

トレーナーが丁寧に彼女の気持ちを聴いていくと、
10代のころの記憶がよみがえってきました。
そして、今も抱えている親への複雑な気持ち…。

最終的に彼女は、「罪悪感を抱かず、タバコを吸うことを楽しむ」と決めました。
ここで大事なことは、世間の常識に従うのではなく、
「自分の心がどうしたいか」を大切にするということです。

その夜の懇親会で、彼女は吸いたくなった時に嬉々として
タバコを吸いに外に出ていきました。

そして翌日、彼女は言いました。
「不思議なんだけど、罪悪感を抱かずにタバコを吸うようになったら、
昨夜からタバコの本数が減ったのよ」。

やめようとどれほど頑張っても、やめるどころか減らすこともできなかったタバコ。
なのに、彼女が「タバコを吸うこと」で無意識につながっていた事柄に気づき、
「楽しくタバコを吸おう」と決めた時、結果としてタバコの本数が減りました。

意識でどれほど頑張ってもできなかったことが、
無意識にある自分の気持ちに気づいた時、
その頑固に絡みついていた糸が、自然にほどけていったと言えるでしょう。

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参加者の中でスーパービジョンを受ける資格があるのは、私を含め3人でした。
2日目は、その3人がスーパービジョンを受けるために、
メンバーの前で個人セッションを行いました。

私のクライアントとして手を挙げてくれたのは、臨床心理士の男性でした。
彼のテーマは、「早食いをやめたい」「味わって食べたい」でした。

彼は心理士という仕事柄、「せかされるように早食いをしてしまう自分」には、
何か心理的なものが隠されているのだろうということは薄々感じてはいましたが、
そこに何があるのかまでは自分ではたどり着けないでいました。
だからこそ、今回このテーマと取り組んでみようと思ったようです。

丁寧に彼の気持ちを聴きながら、彼に起きることと向き合っていきました。
徐々に彼に変化が起き始めました。
最終的に、「早食い」とは全く関係が無いような
若いころの大きな出来事とつながっていることに気づきました。

セッションが終わった時、彼の声やエネルギーが力強くなっていることを、
トレーナーは指摘しました。
確かに彼には、始まる前とは変化が起きていました。

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一見すると「小さな事」「とるに足らないこと」のように思われることがらの中に、
「本人にとって重要なことが潜んでいる可能性がある」ことに触れた体験でした。

毎回、色々な気づきがあります。
人の心って、複雑でナイーブで、そして単純で、
「もっともっと知りたい・学びたい!」という気持ちが高まります。

帰ってから、アマゾンで2万円近く本を買ってしまいました。
「こんなにたくさん、いつ読めるんだよ!」と
自分に突っ込みを入れるもう一人の自分がいます。

でも、「心」や「脳」そして「身体と神経系」について、もっともっと知りたい。
私が学びを深め、もっと深く聴いていくことができるようになれば、
クライアントさんたちの更にステキな人生を応援することができると思うから。

私が5人いたらいいな~と、いつも思います。

スキルアップのためにトレーニングを受けに行ったり専門書を読みふける私。
「質の良い人生を歩むことを応援する」という仕事をする私。
家事をしたり、母との残り少ない時間を大切にする私。
ネコと遊んだり、ぼーっとしたり、音楽を楽しんだり、自分の時間を楽しむ私。
ボランティアや社会的活動をする私。

今はこれを一人でやっているから、
吐きそうなくらい「いっぱい、いっぱい」になる時があります。

でも、どれも大事な私。
どれが欠けても、私の人生は満足感に欠けます。
だから、時に大変でも、私はこの人生が好きです。
そして、「誠実に、一生懸命に生きている人」が好きです。