いろいろ頑張った5月
掲載日:2023.05.23
5月は(まだ終わってはいませんが)、忙しかったです。
4月30日~5月6日は、前回お伝えしたように
3年間に渡るトラウマ治療の研修トレーニングの最終フェーズでした。
前回のコラムはその研修直後だったため、興奮冷めやらず状態で書いてしまいました。
今いろいろなことがひと段落して、やっと落ち着きを取り戻してきました。
1週間のトラウマ治療トレーニングの翌週は、4日間のオンライントレーニングでした。
こちらはアメリカ人の講師で、「愛着」に特化した研修トレーニングでした。
子ども時代の愛着問題、つまりは親がどのように子どもに接してきたかで、
その子の心にどのように傷を残し、大人になってどのように生きづらさを抱えていくか、
そのことへの理解と関わり方を学び、午後は受講生同士でのセッションの練習でした。
これまでもクライアントさんの生きづらさに関しては理解していたつもりですが、
今回の講義を通してより理解が深まったと感じました。
午後のセッション練習では、今回も私はかなりうまくやれました。
受講生仲間からは「こんなに深いセッションを受けたのは初めて」
「このセッションで私の人生が大きく変わった」
「こんなすごいセッションを無料で受けていいんですか」など、
高評価を受けて私の天狗の鼻がまたピクピクしました(笑)。
しかし、実は私の心中は少し複雑でした。
受講生仲間はほとんどが臨床心理士・公認心理士で、
長年 心理学を学び研鑽を積んできた人たちです。
セッションの中で私が使う言葉や方法の真意をくみ取り
それに適切に反応する力を持っている人たちです。
つまり、私のセッションがうまくいったのは、
私に力があるだけではなくクライアント役の人にもかなりの力があったからなのです。
私はいつも、セッションはダンスのようだと感じています。
ダンス初心者のクライアントさんには、少しずつステップを教えていきます。
クライアントさんが上達するにつれて、感動的なダンスを二人で踊れるようになります。
同じダンスは二度となくて、その時の私とクライアントさんとの掛け算で踊るダンスです。
今回の研修トレーニングの練習の中でクライアント役の人たちにものすごいことが起きたのは、
(ここは謙遜せずに言いますが)私にかなり力があったことはもちろんですが、
クライアント役の心理士さんたちにもとても力があったからなのです。
つまり高度なダンスステップを踏める技量を積み上げてきたパートナーだったから、
高度な感動的なダンスを共に踊れたということです。
私の複雑な思いというのは、その点です。
今回学んだことをそのまま使おうとすると、
ステップが高度過ぎてクライアントさんは足をくじいてしまいます。
くじくどころか大けがをさせてしまう可能性さえあります。
高度な知識とテクニックは学びました。
それを使う実力が私にあることも実感しました。
私のこれからの課題は、その身につけたものを
細かく使いやすくして一人一人のクライアントさんに合うものにしていくことです。
創意工夫を重ね、分解と統合を繰り返して、
クライアントさんが躊躇なく楽しく踏めるステップを作り出していくことです。
ここからが私の課題です。
そして先ほどから何度も「私に力がある」と言っていますが、
このような言い方に不快感を抱かれている方もいるかもしれません。
はい、わざと何度もそう言っています。
実は「私に力が」ついたのは、クライアントさんたちのおかげであることを私は実感しています。
目の前で痛みを抱えて苦しんでいるクライアントさんに対して、
私はどう関わったら、どんな言葉をどうかけたら、
その苦しみを少しでも減らし前を向いて生きていってもらえるか。
そんな課題をいつも私に与えてくれたのはクライアントさんたちです。
言葉にできない深い思いを、表情や態度から汲み取る力をつけてくれたのは
クライアントさんたちです。
彼女たちの存在がなければ今の私はいません。
そのような意味では、私のセラピストとしての実力は
クライアントさんたちと重ねてきたダンスのたまものといえるかもしれません。
過去と現在のクライアントさんたちに感謝しています。
だからこそ、私はもっともっと研鑽していこうと思います。
どんなに苦しくても今を一生懸命に生きているクライアントさんたちに、
リスペクトと感謝の気持ちを抱き、その幸せを願いながら
私は自己研鑽の道を進んでいきます。
5月前半の研修トレーニングの2週間が終わり、少し落ち着いてきた今、
そのように気持ちを新たにしているところです。
そして5月と言えば北海道では作物の植え付けの時期です。
(話がガラリと変わります。)
少し出遅れ感はありましたが、
研修前に腐葉土や生ゴミたい肥などをすき込んでいた庭に、
マルチを敷いて苗を買ってきて植えました。
苗売り場にブルーベリーの苗木が売られていたので、それも一本買ってきました。
我が家の庭にはハスカップとブルーベリーが植わっていますが、
ブルーベリーは2本しかなかったので一本追加できて嬉しいです。
今ハスカップとブルーベリーが花をつけています。
あと半月くらいで収穫できるかな?
楽しみです。
今は毎朝アスパラとミツバが採れて、美味しくいただいています。
食べることが大好きな私としては幸せな時間です。
ただ、大急ぎで畑仕事を頑張ってしたので、腰が痛いです。
やり過ぎないように気をつけてはいたのですが、
自分が思っている以上に老化は進んでいるようで、
これからはもっと気をつけなければならないなぁと感じています。
それでも数年前までは、農作業の後はぎっくり腰になるのが恒例でした。
それが腰痛程度でおさまっているのは、
私の身体への気づきが成長している証拠だと思います。
これからも自分の身体と心の状態に丁寧に気づきを向けながら、
幸せな毎日を過ごしていきたいと思っています。
私が幸せで良い状態でいることが、自分自身のためでもあり、
同時にクライアントさんへの貢献になるからです。
誰だって、実力があるのは大前提ですが、
日常に不満をいくつも抱えて不機嫌なお医者さんよりは、
心身ともに健康でいつも笑顔のお医者さんに治療をしてもらいたいですよね。
だから私はこれからも、セラピーの実力を付けていくことと同じくらい
自分自身の心身の健康にも気をつけて毎日を送っていくつもりです。
今日も懸命に生きている人たちへのリスペクトの思いと共に、
私自身が幸せで良い状態でいる努力を続けます。