3人欲しい病
掲載日:2021.03.30
コロナ禍で多くの人たちが困難と向き合っている一方で、
ほとんど影響を受けずに生活を続けられている人たちも多くいます。
ありがたいことに、私もどちらかと言うと影響を受けずにすんでいる部類だと思います。
コロナが流行り始めた頃、多くの相談業の人たちは仕事が難しくなりました。
閉ざされた室内で対面で行う「相談」は、難しくなったからです。
私はこの仕事を始めて、たぶん15年ほどになると思いますが、
当初からセッションは電話かスカイプで行ってきたので、
おかげさまで、このコロナ禍でほとんど影響は受けていません。
当初は、「北海道に住んでいる」というハンディから、
遠方の人でも相談が可能となるように電話やスカイプという手段を用いましたが、
そのハンディから生まれた手段が今は強みになっています。
以前は、「顔を見ず声だけでカウンセリングやセラピー、
コーチングをすることはイメージできない」と同業者によく言われました。
ほんの2年前までは、仲間にそう言われていました。
私はエンプティチェアなどのワークも音声だけでするので、
特にセラピーをする人たちには想像できない世界だったのかもしれません。
でも、クライアントさんにとって必要だと思えば、
私は常識を超えて「できる工夫」をします。
できないと思えばできないし、
やろうと思えばできないことはそう多くはないような気がします。
今では、同業者は仕方なくオンラインで仕事をし始めています。
直接の対面でお仕事をしていた人たちにとっては、
顔は見えてもリアルに会えずにセッションをすることは難しそうです。
私は逆に、これまで顔を見ずにしてきたことを、
クライアントさんによってはオンラインで顔を見ながらするようになり、
かえってやりやすくなった感があります。
ハンディからスタートすると、あとは楽になるだけだなと感じています。
前置きはこのくらいにして(ここまで前置きでした!)。
実は、コロナの影響でよかったことも世界にはたくさんあると思います。
私もその恩恵を受けています。
それは、多くのことがオンラインでなされるようになり、
(目は疲れるので気をつけましょう)
私のように地域的にハンディがあった人間でも、気軽に
国内はもとより海外の最先端の講師の話を聞けるようになったことです。
これまでは少なくとも東京まで飛行機代とホテル代と時間をかけて
行かなくてはならなかったことが、
今では東京どころか海外のどこにいる講師の研修であろうと、
自宅にいてオンラインで受けることができ、
必要であれば直接質問することもできます。
おまけに、リアルタイムで受けなくても動画配信(有料)を申し込めば、
好きな時間に何度でも視聴することができます。
これは本当にありがたいことです。
欲しい情報に気軽にアクセスできるなんて、ワクワクします。
ただ、一つ困ったことが起きました。
私にとって魅力的な講師がたくさんいて、全部受けるには時間が足りません。
おまけに、
クライアントさんたちに有効と思われる最先端の知識や手法の翻訳本が次々に出版され、
それらも次々と購入し、早く読みたいと気持ちばかりがはやりますが、
実際には本棚に並ぶだけで、なかなか読み進める時間がありません。
また「自分が3人欲しい病」になっています。
① クライアントさんとセッションをする私
② クライアントさんの幸せな人生に役立つであろう学び
(専門書を読んだり、海外講師の講演や研修の有料動画を観るなど)に専念する私
③ 家事を含む生活者として必要なことをしたり、プライベートを楽しむ私
① と②は、当然ながら切っても切り離せません。
セッションを通して、「このクライアントさんのためにもっと役に立ちたい」という気持ちが起きます。
① の「セッション」は、②の「学び」の原動力です。
① と②は、どちらも私にとって大切なことです。
問題は③ですね。
プライベートも大事にしたいです。
すると残るは、お掃除を含む日常の様々なことですね。
例えば、先日は水道局から「漏水の疑いがある」と連絡がありました。
(水道料金が先月の2倍になっていました!)
業者の選択から始まり、調査の依頼、実際に来てもらって漏水箇所を探し、
そして修理と、とても時間を要しました。
こういう日常のいろいろなことに対応してくれる人がいたら、
私は①と②に集中できるのに…と思います。
せめて、有能な秘書かお手伝いさんが欲しい。
料理は嫌いではないので、できれば掃除や片付けは人に頼めたらいいな。
でも、仕事関係の資料やパソコン内の整理などは
誰でもいいという訳でもなく、悩ましいところです。
時々、女優など社会的に活躍している女性が年下の男性と結婚し、
「彼が身の回りのことや家事などを一手に引き受けてくれて
女性は本業に専念できる」という話を聞くことがありますが、うらやましい限りです。
男性でなくても全然かまいません。
どこかに「私のしていることの価値を十分に理解してくれて、
私のサポートをすることが苦にならない有能な人」はいないかしら?
「できれば性格もとっても良い人がいいな」
「そんなご縁が繋がったらいいな~」と妄想しながら、
今のところ、昼間は3人分全力で活動し、夜はテロ~っと過ごしている私です。
このテロ~っと過ごすことも、実は私にとってはとても大事なことです。
この時間まで仕事や勉強や家事に当てたりしては疲れを翌日に持ち越すことになり、
クライアントさんの微妙な変化に気づくセンサーが鈍ってしまい
質の良いセッションができなくなってしまいます。
夜はしっかりとリラックスタイムを持つことは大事です。
東京に住んでいる娘がアマゾンスティックをプレゼントしてくれたので、
夜は映画や海外ドラマを楽しんだりしています。
仕事と関係のない本をほんの数ページだけ、
例えば若松英輔さんの「悲しみの秘義」などを
生まれたばかりの命と向き合うように大切にゆったりと読む日もあります。
猫たちとお風呂に入ってぼーっとする時間も最高です。
テロ~っと、ぼーっとする時間は、削ってはいけないのです。
当面は、この「昼間の全力集中」と「夜の『テロ~』と『ぼー』」が続きそうです。
余談ですが、
Wordで「ころなか」と打つと当然「コロナ禍」に変換すると思っていましたが、
少なくとも私のWordでは、そのままでは出てきませんでした。
「コロナ禍」という言葉は、ここ1年でなじみになった言葉なのだなと、
今さらながら、この1年で世界は大きく変わったことを感じます。
今年は、困難に向き合っている人は一日も早く安心の生活を取り戻せますように。
そして、誰にとっても、ダメージの少ないこの先であることを願っています。